一軒家の部位と塗装時のポイント
軒天
軒天とは、建物の外壁から外側に出っ張っている、屋根裏側の天井のことです。
屋根の構造を隠して見た目を良くしたり、換気機能や火事の際に延焼防止をしてくれる役割があります。
軒天は劣化しやすい部位であり、外観だけではなく、建物の価値自体を左右する場合もあるので、しっかりとした塗装やメンテナンスを行っていきたい部位になります。
ポイントはカビや色褪せ、塗装の剥がれが見られたらすぐにメンテナンスをすること。
また、軒天は塗装前の高圧洗浄で水が浸水してしまうと、カビの発生などを引き起こす原因となるので注意が必要です。
破風板
破風板とは、屋根と外壁の間にある部位で、雨が浸水するのを防いでくれる役割があります。
破風板は、場合によっては屋根や外壁よりも早く劣化してしまうことがあります。
なぜならこの部位は、紫外線・雨・風の影響を受けやすく、剥がれやすい上に、一度剥がれると何度も剥がれるようになってしまうから。
なので、破風板だからと言って塗料の質を下げたり、塗装しないといった判断は避け、塗装が剥がれる前に塗装し直すようにしましょう。
また、専門知識や技術がない人が塗装をすると、すぐに剥がれてしまう原因となりますので、自己判断で塗装をすることはオススメしません。
雨樋
雨樋には、屋根や外壁に落ちた雨を排水する役割があります。
こちらも常に太陽や風雨の影響を受けるため、劣化の早い部位です。
雨樋は20~25年ほどすると、割れたり変形して寿命が来てしまいますので、交換が必要です。
交換までの期間中に、経年劣化によって汚れなどが目立ってくるので、気になる人は塗装し直す必要があります。
塗装する際は、ケレンの処理をきちんと行い、複数回重ね塗りをすると塗装が長持ちします。
鼻隠し
鼻隠しは、屋根の軒先の雨樋を取り付けている板のことで、屋根の構造材を隠す役割もあります。
鼻隠しは雨樋があるお陰で破風板に比べると傷みにくいですが、どうしても紫外線や雨風の影響で少しずつ劣化していくので、再塗装で保護する必要があります。
雨樋を外さないと綺麗に塗装できないこともあるので、自分で塗装をするのが難しい部位です。
雨戸
雨戸は、ガラス窓などの外側に設置されている板で作られた戸のこと。
台風や豪雨、紫外線といった災害から住まいを守ってくれる役割があります。
いくら綺麗に屋根や外壁を塗装しても、雨戸の塗装を忘れてしまうと印象を損ねてしまいます。
外壁等の塗装をする際は、雨戸もあわせて塗装しておきましょう。
戸袋
戸袋とは、引き戸を開けたときに、戸が収納される場所のことをいいます。
戸袋が錆びてきたり、塗装の剥がれ、劣化が目立ち始めたら再塗装をしましょう。
戸袋に使用する塗料は、他の部位に使用する塗料より対候性が低いです。
なので、木製や鉄製のものであれば、劣化の状態に合わせて3~8年ごとに再塗装をするのが理想です。
また、塗装の際は戸袋の付帯部塗装もあわせて行うと、錆びによる腐食防止になるのでオススメです。
矢切り
矢切とは、切妻屋根や入母屋屋根の真下にできる三角部分のこと。
屋根を支えたり、通気口を設置して、屋根の中の湿度や温度を調整する役割があります。
切妻屋根のお宅ではこの部位のみ色や素材を変えたり、飾りをつけたりしている場合もあり、再塗装をする場合は専門の塗装技術が必要になってきます。
笠木
塀や腰壁、手すりなどの最上部に被せる仕上材を笠木と言います。
笠木は、建材を守るだけではなく、デザイン性や機能性の面でも大切な部位。外観を保つためにも定期的に再塗装をしたい部位ですね。
また、笠木の劣化は雨漏りを引き起こしてしまう可能性があります。劣化する前に再塗装することによって、塗膜が作られて防水性が高まります。
雨漏り予防の観点からも、笠木の再塗装は重要です。
霧避け・庇(ひさし)
雨を防ぐことを目的に出入り口や窓の上に作る小さな庇を、霧避けもしくは単に庇と呼びます。
雨や霧の進入を防ぐのと同時に、強い日差しが室内に入るのを防ぐ役割もあります。
紫外線・雨・風などで劣化しやすい部位です。たとえ庇の表面に穴などが空いていなくても、下側部分が実はボロボロだった、ということもあります。
そんな状態を防ぐためにも、適切な塗料を選んで塗装して保護する必要があるのです。